今月第1子出産を報告したばかりで幸せいっぱいのお笑い芸人、紺野ぶるま(35)が27日、初めての長編小説「特等席とトマトと満月と」(幻冬舎)を上梓した。一昨年に自身の芸風をつづった「下ネタ論」、昨年は自己啓発本「中退女子の生き方」を出版しており、これが3冊目の著作に。書店員からも絶賛のコメントが寄せられている。

 小説の主人公は20代半ばの女芸人ムシナ。〝芸人としては〟美人で背も高くスタイルも悪くないことをコンプレックスとして感じている。恋愛や結婚といった女の幸せが笑いの邪魔になるとわかっているのに、男に求められるとつい応えてしまう。「かわいい」ではなく「面白くなりたい欲」に振り回され、〝底辺芸人〟のもどかしくも切ない日々を生々しく描いた。

「ご本人をモデルにしたのでは?と思うほどリアリティ溢れる物語とディテール。自分や周囲の人々を見つめる視点の鋭さが文章の端々から伝わってきます」(啓文社西条店・三島政幸さん)

「〝女芸人〟とは何なのか…とずっと葛藤しながらも芸人として女として必死に生きている感がすごく伝わってきました。ゴールがどこにあるかはわからないけど、それでも前に進まなければいけないんだと教えてもらった気がします」(岩瀬書店富久山店・吉田彩乃さん)

 ぶるまは「小説書けたらかっこいいよなぁ。でも無理だろうなぁ、めんどくさいなぁと思ってたところに『とりあえず書いてみない?』と幻冬舎の方が声をかけてくださいました。書き始めて2年超。やり切ったのでボロクソ言われても傷付かなそうです、どうぞ言ってください。きっと読んでくれたうれしさが勝るので!」とコメントしている。