女優の木村文乃(34)主演のテレビ朝日系ドラマ「七人の秘書」(2020年)が映画化され、10月7日に公開されることが明らかになった。最終回で平均世帯視聴率16・7%を叩き出した同ドラマの劇場版だけにテレ朝の期待は大きい。〝ポスト・ドクターX〟にも位置づけられるが、ここにきてまさかの事態が…。

「七人の秘書」は、2020年10月期に放送され、最終回16・7%、全8話の世帯平均視聴率は14・5%を記録。同クールで、圧倒的なナンバーワンドラマとなった。

 脚本は「ドクターX」シリーズを手掛けた中園ミホ氏が担当。表向きは秘書として要人に仕える7人が、人助けのため「現代版・必殺仕事人」となり、悪の権力者を片っ端から成敗していく痛快ストーリーが大ウケした。ドラマは、放送終了から1年以上経った今も動画配信サイトで上位にランクインし続けている。

 劇場版は、木村のほかにも、広瀬アリス、大島優子、菜々緒、シム・ウンギョン、室井滋、江口洋介ら豪華俳優陣が〝再登板〟。テレ朝関係者は「本来はもっと早く映画化に向けて動き出すはずだったが、コロナ禍で出演者のスケジュールがなかなか見通せず、この時期になった。今年1月にクランクインし、地方ロケを含めて撮影は終了しており、現在は編集中です」と明かす。

 もっともコロナ禍以上に局内を動揺させたのは主要キャスト・広瀬の〝降板騒動〟だ。23日に体調不良による今秋出演予定だった舞台「薔薇とサムライ2―海賊女王の帰還―」の降板が報じられると、25日に広瀬は自身のツイッターでも降板を謝罪。その上で「どうやらちょこっとお休みが必要のようです」「しっかり充電して元気になって戻ってきます」などとつづった。

「実は20日から『七人の秘書』の公式インスタグラムがひそかに動き出し、それを察知したファンから続編を期待する声が上がっていた。局サイドとすれば、それこそ必殺仕事人的に写真をアップしながら盛り上げていく予定でしたが、広瀬さんが今後、休養を取る可能性もあることで、映画化の発表も大急ぎになった」(前同)

 広瀬は今秋の舞台を降板しており、体調次第では映画のPR活動にも影響しかねない状況だ。

 局内からも動揺する声が漏れるが、それには理由がある。「七人の秘書」は、〝ポスト・ドクターX〟として将来的なキラーコンテンツに育てるという最重要課題があるからだ。

「ドクターXで、大門未知子を演じる米倉涼子は、2019年ころから『低髄液圧症候群』を発症。今年に入ってから、NHKの番組で『だんだん真っすぐ歩けなくなっている』と語るほど頭痛、めまい、全身の倦怠感などの症状に悩まされてきた。ここ数年のシリーズは、いつ出演が困難になってもおかしくはなく、ドクターXに変わる人気シリーズを作ることに着手する必要があった」(ドラマ関係者)

 近年のテレビ局はスポンサーの意向で、視聴者の若返りを図り、商品購買力を持つ13~49歳の「コアターゲット視聴率」を重視。今年4月期の「探偵が早すぎる」(日本テレビ系)と「恋なんて、本気でやってどうするの?」(フジテレビ系)で主演を務め、一気に大ブレークした広瀬アリスはまさに〝コア視聴率〟層にドンピシャな女優だったが…。

 来年にはドラマの続編放送を目指すテレ朝とすれば、ドクターXの今後も含めなんとも気がかりな船出となっているようだ。(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)