3月下旬に米ロサンゼルスで開催されたアカデミー賞授賞式でコメディアンのクリス・ロックを平手打ちして以来初となる姿がインドで目撃された俳優ウィル・スミス(53)が、精神修行のため同地を訪れたと米ピープル誌が報じた。

4月23日にムンバイにあるプライベート空港に姿を見せたスミスが、空港職員やファンらと笑顔で記念撮影する様子が報じられていた。同誌は、スミスのインド訪問は主にヨガと瞑想(めいそう)を行う精神的な目的だと伝えている。

ビンタ騒動を受け、主催する米映画芸術科学アカデミーから授賞式を含む全てのイベントへの参加を10年間禁止されたスミスは、出演予定だった新作映画の撮影が停止するなど仕事がない状態が続いていると言われており、インド訪問の理由を巡ってさまざまな憶測が流れていた。

一方、ニューヨーク・ポスト紙は、いまだロックに直接謝罪をしていないとされるスミスに対し、「何百万人の前で暴力を振るった相手1人に個人的に謝罪ができない人が、ヨガと瞑想のための精神的な旅に出たとはシニカルで滑稽だ」と関係者のコメントを紹介。

感情的になって二度と暴力を振るうことがないよう精神を鍛えるための旅だという主張に業界関係者は冷笑していると伝えている。

スミスは謝罪する声明文を発表しているが、この件に関して自らの言葉で釈明はしておらず、インドで精神を鍛えて戻った後でメディアのインタビューに応じるのか期待される。(ロサンゼルス=千歳香奈子)