米大リーグ機構(MLB)公式サイトは26日(日本時間27日)に「22年に自身の持ち球を向上させた6投手」と題した特集でエンゼルスの大谷翔平投手(27)をトップで取り上げ、「スライダーが以前にも増して良くなった」と高評価した。

「投手が生き残るためには、マックス・シャーザーでもない限り変化を必要とする」と同サイト。球種を増やしたり、持ち球の使い方や動きを変えることを意味するという。「しかし成功に結びつくとは限らず、短期間しか機能しない場合もある」と述べた上で、開幕から約3週間の象徴的な事例を紹介した。

 投手としての大谷はこれまで3度先発して1勝2敗、防御率4・40だが、同サイトは「対戦した打者の40%以上を三振に仕留めている。まさに壮観」と絶賛。直球の平均球速は昨年の95・6マイル(約154キロ)から97・5マイル(約157キロ)にアップしているが、三振率の増加はスライダーの変化が良くなったことを最大の理由に挙げた。

 スライダーの平均球速も82・2マイル(約132キロ)から84・8キロ(約136キロ)に上がっている。速度が増せば横への動きが小さくなるものだが、「その上で水平方向への16インチ(約41センチ)の動きを維持している」とキレがより鋭くなったことを指摘する。さらに昨年は他の投手のスライダーより115%変化が大きかったが、今年は152%と驚く。スライダーの変化の例として自己最多の12三振を記録した20日(同21日)のアストロズ戦で3回二死で9番シリへ投じた初球のスライダーが大きく横滑りし、バットが空を切った動画を掲載した。CNNはこの試合のスライダーを「破壊的」と表現した。

 同サイトは大谷を絶賛。「スライダーではわずか3本の安打しか許していない。防御率4・40を無視できないが、基礎となるすべての数値は優れている。これまでで最高の投手大谷だ」と締めくくった。