プロ麻雀リーグ「M.LEAGUE(Mリーグ)」2021―22シーズンの全日程が26日、終了した。大接戦の末に優勝したのは、KADOKAWAサクラナイツ(内川幸太郎、岡田紗佳、沢崎誠、堀慎吾)だ。病気療養のため無念の離脱となった沢崎誠のためにとチーム一丸となり、優勝シャーレをつかみ取った。

 ファイナルに残った4チーム中、3チームに現実的な数字が残されて迎えた最終日。1戦目で内川が3着に粘ったサクラナイツが首位をキープ。2位はセガサミーフェニックス、3位は渋谷ABEMASという並びで最後の戦いに突入した。

 運命の最終戦ではサクラナイツの堀とフェニックスの近藤誠一が白熱した戦いを繰り広げるも、オーラスで親の堀が加点して勝負あり。参戦3年目にして初優勝となり、決まった瞬間、モデル、Mリーガーとして活躍する岡田は大号泣して喜んだ。

 サクラナイツとしては絶対に優勝したい理由があった。レギュラーシーズンを引っ張った最年長Mリーガー、沢崎はセミファイナル終了後、原発性骨髄繊維症の入院治療のため無念の離脱となった。岡田は「どうしても沢崎さんに優勝を届けたい気持ちが強くて、最終日2人(内川、堀)が素晴らしい戦いをしてくれて、すごいうれしかったです。沢崎さんがいなかったら優勝できていない。4人で優勝できたものだと思っています」。内川も堀も病床の沢崎にうれしい報告と感謝を届けた。

 岡田はMリーガー32人中、最後までトップを取れないなど、レギュラーシーズンは苦しい戦いを強いられた。そんな時でも支えになったのが、沢崎の存在だ。大きくポイントを稼いだだけではなく、精神的な支柱となった。「沢崎さんが麻雀のことを言うことはないんですよ。それよりもチームの雰囲気を明るくしようとしてくれます。『誰かが不調でも誰かが勝てばいいんだ』と。私が負けても『大丈夫、大丈夫』みたいな感じで、特別なことをしてくれなかったことが良かったです。私たちは沢崎さんの背中を見て育った感じです」

 沢崎の存在のおかげで岡田はセミファイナルで完全復調して3戦2トップ2着1回と、チームをファイナルに導く原動力となった。

 来シーズンのチームの目標はもちろん、どこもなし得ていない連覇だ。岡田は「個人としては、今季のレギュラーシーズンは散々でしたが、すごく大きい成長につながったと思います。来季は何があっても落ち着いて打てると思うので、個人ポイントプラスが目標です。チームの勝利が大事だと思っているので、雰囲気を明るくできたら」

 チームに入る優勝賞金は5000万円。「リップの高性能なキットみたいなものが欲しいです」とモデルらしい素顔を見せると同時に「投資します!」とも。これからオフシーズンで休養、麻雀の練習を積んで、来シーズンに備える。

【MVPは瑞原明奈】

 全試合終了後に、閉幕式が行われた。個人3賞も表彰され、個人スコア(MVP)は瑞原明奈(U―NEXT Pirates)、最高スコアは伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)、4着回避率は多井隆晴(渋谷ABEMAS)が受賞。川淵三郎Mリーグ最高顧問が閉幕宣言した。