「侍仲間」の大活躍が自身の追い風となるか。昨季首位打者のオリックス・吉田正尚外野手(28)の打棒が爆発の兆しを見せている。

 開幕直後こそ打率1割台に低迷したが、4月中旬からは打撃も上向きに。26日の日本ハム戦(東京ドーム)では延長10回の決勝打を含む2安打を放ち、27日の同戦でも先制2号2ランを含む2安打3打点。打率は2割9分5厘にまで上昇した。さすがは3年連続首位打者を目指すバットマンといったところだが、その一方で気になるのが本人の「去就」だ。

 過去の契約更改の場ですでにメジャー挑戦の意向を示している吉田正。海外FAとなると24年のシーズン以降となりそうだが、本人は球団了承のもとポスティングによるメジャー移籍を希望していると言われる。今季も結果を残し、チームもリーグ連覇を果たせば球団側も本人の夢を後押しするはず。そんな吉田正の米移籍の追い風になりそうなのが、今季からカブスでプレーしている鈴木誠也外野手(27)の大活躍だという。

 シーズン序盤から打棒爆発。早くも週間MVPに輝くなどの結果を残していることで、メジャー側の日本人野手の評価も急上昇中。すでに複数のメジャースカウトは「吉田なら鈴木以上の成績を残せる可能性は十分ある」と今オフの移籍を視野に毎試合熱視線を送り続けている。

 駐日メジャー関係者も先日、こんな話を漏らしていた。

「日本代表として国際大会での活躍経験もある吉田の名は米球界ではすでに知れわたっている。ただ、高い年俸を払って獲得しても1年目からすぐにメジャーに適応できるのか。この点が懸念されていた。だが、鈴木が開幕直後から予想以上の結果を残したことで、吉田にも太鼓判を押す関係者が増えている。仮に今オフ、球団側がポスティングに応じれば、メジャーの大半の球団が吉田の獲得に動くはず。しかもその総年俸は鈴木の大型契約(5年総額8500万ドル=約101億1500円)を上回る可能性もある。それぐらい吉田の評価は高まっている」

 吉田正は鈴木より1歳年上だが、2人はともに昨夏の東京五輪や19年のプレミア12で活躍。中軸打者として日本を世界一に導いた。そんな背景を考えれば、吉田正の評価が高まるのも無理はない。

 あとはオリックスと吉田正の動向次第だが…。今後は注目が集まりそうだ。