日本ハム・吉田輝星投手(21)がリリーフとして覚醒している。プロ1年目に初勝利を挙げたものの、そこから勝ち星に恵まれず苦しんだが、4年目の今季、先発登板した3月27日のソフトバンク戦(ペイペイ)で、4回3失点で降板すると、その後は中継ぎに転向。9試合で12回無失点、被安打わずか2と大変身した。

 2018年の夏の甲子園大会で〝金農旋風〟を巻き起こした金足農の恩師・中泉一豊監督は「今の投球は、甲子園で活躍していたときの投球の勢いに似ている。活躍の話題を聞くのはうれしい」。当時は「投手が試合の中で一番大事だから、人一倍練習してほしい。野手も投手を楽にしてあげられるように、互いに助け合うように」と指導したそうで「吉田は特に負けず嫌いだった。自信にあふれていて、試合を楽しむ余裕がある。それがマウンドでの度胸に繋がっている」と話した。

 現在でも連絡があるそうで、直近では4月13日の西武戦(ベルーナ)で清宮が一ゴロを弾いてしまった打球を捕球し、腹ばいになりながら、一塁ベースに飛び込むプレーに対して「ケガしなくて良かった。これからも活躍を期待している」とメールを送ったという。

 吉田は先発志望でもあるが「いつでも投げれるように準備をして、場数を踏み、中継ぎで結果を残してほしい。それがいずれ先発に繋がる。野球を〝仕事〟でやっていくことは厳しい世界である。人、チームの立場を考えて人間経験を積むことが野球に通ずる」とのメッセージも送った。

 かつて甲子園を大熱狂させた教え子のさらなる飛躍を、恩師も楽しみにしている。