日本格闘技界の未来は最高のデビューを飾ることができるか。世界最大の格闘技イベント「UFC」の米ラスベガス大会(30日=日本時間5月1日)で、修斗世界フライ級王者の平良達郎(22)がカルロス・カンデラリオ(30=米国)と対戦する。〝キック界の神童〟那須川天心(23)から吸収した〝打撃の極意〟で進化を果たした超新星が、いよいよ本場の金網でベールを脱ぐ。

 沖縄出身の平良は2018年8月にプロデビュー。ここから破竹の快進撃で無傷の10連勝を飾った。昨年7月のデビュー9戦目では福田龍彌を三角絞めで仕留め、修斗世界フライ級のベルトも獲得している。

 その圧倒的な強さから〝超新星〟と称され期待が集まる中、今年1月に米MMAスポーツマネジメント会社「イリディアム・スポーツ・エージェンシー」と契約。さらに2月4日にはUFCとも契約し、待望の米国デビューが決まった。

 大一番を前にオンラインでインタビューに応じた平良は「僕の一番強い姿を見せて『この選手はどれだけ強いんだ』と見ている人を驚かせたい。前から見てくれている人も、今回初めて僕を見る人も『こんな普通の感じのやつが世界で戦ってるんだ』って思ってもらえたら(笑い)。侍スピリットを見せたいです」と語った。

 対戦相手のカンデラリオについては「レスリングとボクシングを武器にグラウンドもスタンドもできる」と警戒。その上で「1ラウンド(R)から手数を出してくると思うので、そこをうまくかわしながら戦いたいです。理想の勝ち方は3R戦って一本かKO。今まで1R(決着)が多いので、3Rも経験しておきたいので」とプランを明かす。

 3月には那須川との強化合宿を敢行した。その際に「打撃でいろんな技術を学ぶことができました。フェイントだったり。それに、打撃の打ち方が変わりました。今まではセオリー通り打っていた感じが、自分がリラックスして打つことを意識するようになりました」と大きな収穫を得た。

 もちろん、目指すは世界の頂だ。「目標はUFCでフライ級のベルトを取ることです。今はまだまだ全然弱いので、戦いながら強くなっていきたい。できれば年間3試合くらいして、理想は2~3年後にタイトルに挑むところまで行ければ」

 進化を続ける超新星は、本場の金網でどんな戦いを見せるのか。新たな歴史の幕開けにふさわしい快勝に期待したい。