森保ジャパンの〝秘密兵器〟となるか。11月開幕のカタールW杯1次リーグでE組となった日本はドイツ、スペインと優勝候補の強豪と対戦することになった。特に重要なのが、突破を大きく左右する初戦のドイツ戦(11月23日)。欧州屈指のスター軍団は超難敵となるが、元日本代表MF前園真聖氏(48=本紙評論家)は金星へ向けてキーマンを指名した。

 ドイツは2014年のブラジル大会をはじめ4度のW杯優勝を誇る強豪。日本にとっては大きな壁となる。

 前園氏はドイツの現状について「ハンス・フリック監督に代わってからチーム状態がよくなっています。FWトーマス・ミュラーなどベテランが健在な一方で、FWセルジュ・ニャブリがゴールを量産し、MFレロイ・サネやMFジャマル・ムシアラ(いずれもバイエルン・ミュンヘン)など素晴らしい若手も出てきて融合しています」と分析。選手層は厚く、やはり強敵であることは間違いない。

 それでも、森保ジャパンにも勝機はある。大金星の可能性を高める一手になり得るのが未招集の新戦力だ。

「DF伊藤洋輝(22=シュツットガルト)に期待したいですね。今季はドイツでコンスタントに試合に出場して、上背があって左利き。前線にもボールを運べますし、対人も強いです。さまざまなポジションをできるのも大きいでしょう。特に対ドイツを考えると、普段試合をしているので知っている選手も多いですし〝免疫〟もあるでしょう」と今季ブレークした有望株に注目している。

 伊藤は守備的な選手だが足元の技術が高く、フィジカルも強い。森保一監督が求めるユーティリティー性も兼ね備えている。そして188センチの高さも武器になる。

「本大会では高さも重要になってきます。劣勢でも局面を変えられるセットプレーで、高さのある選手が加わることは大きいでしょう」と前園氏。伊藤は森保ジャパンの補強ポイントを満たすうってつけの人材というわけだ。

 そうした点を踏まえ、前園氏は「本大会ではクラブで同僚のMF遠藤航と同じか、それ以上に重要になってくる選手だと思います」と猛プッシュ。森保監督が目標に掲げている8強以上の躍進へ向けて〝最終兵器〟になると大きな期待を寄せている。

 強化試合4連戦が予定されている6月に向け、伊藤の初招集に注目が集まる。