【英ロンドン28日(日本時間29日)発】欧州リーグ(EL)準決勝第1戦でEフランクフルト(ドイツ)は敵地でウェストハム(イングランド)に2―1と先勝し、決勝進出に王手をかけた。MF鎌田大地(25)が後半9分に今季公式戦9得点目となる決勝ゴールをマーク。大車輪の活躍を見せた和製アタッカーは、日本代表返り咲きとともにチームにとって42年ぶりとなる欧州タイトルを引き寄せる。

 アウェー戦に臨んだEフランクフルトは前半1分に先制するも21分に失点。1―1で折り返して迎えた後半9分、パス交換からゴール前へ抜け出したMFジブリル・ソウが放ったシュートのこぼれ球に反応した鎌田が左足で押し込んで勝ち越しに成功。MF長谷部誠(38)の出番はなかったものの、鎌田のゴールが決勝点となり、ファイナル進出に一歩前進した。

 Eフランクフルトのオリバー・グラスナー監督は「選手たちがどのようにプレーしたか、開始1分でどのようにリードしたか、非常に感銘を受けた。ウェストハムを脅かしたように彼らが示した自信は印象的だった」と、鎌田らイレブンの奮闘をたたえていた。

 鎌田は今季序盤にスタメンを外れるなど不振に陥ったが、徐々に調子を取り戻すと、EL準々決勝第2戦(14日)の強豪バルセロナ(スペイン)戦では決勝アシストをマーク。2戦連続で大仕事を見せた。ドイツ紙「ビルド」も「ユーロの大地が帰ってきた! 彼のゴールのためにラインを上げなければならなかったが、それは的を射ていた」と絶賛した。

 そんな鎌田は2022年に入って常連だった森保ジャパンに選出されていない。ただ、この日今季公式戦で9得点目をマークしたように好調をキープしており、11月開幕のカタールW杯に向けて日本代表復帰が見込まれている。特に得点力アップが最重要課題となる“サムライブルー”にとって高い決定力を示している鎌田が大きな力になるのは間違いない。

 まずはチームにとって1979―80年のUEFAカップ以来42年ぶりとなる欧州タイトルを奪取するため、ホームで行われるEL準決勝第2戦(5月5日)で再び躍動してくれるはずだ。