窮地を救ったのは…。大相撲夏場所(5月8日初日、東京・両国国技館)を控えた29日、大関正代(30=時津風)が電話取材に応じ「優勝争いから遠ざかっているので加わりたい」と意気込みを語った。

 カド番で迎えた先場所は、いきなり4連敗とスタートダッシュに失敗。しかし、後半戦に息を吹き返して9勝6敗で終え、大関陥落の危機を回避した。正代は初場所後の新型コロナ感染により「10日間の隔離で調整が遅れた分(状態が戻るまで)場所の後半までかかったかもしれない」としつつ「初日が出てから体の動きが変わったのかな」と振り返った。

 また、精神的に追い込まれていた先場所は土俵以外で「できるだけ相撲のことは考えないようにしていた」。

 そんな大関は週刊少年ジャンプが気分転換になっていたようで「『ワンピース』とか『呪術廻戦』がものすごく熱い時で、次の(発売日の)月曜日が待てないなと。そればっかり考えてました(笑い)」と明かす。毎週購入している〝愛読書〟が切り替えるきっかけになっていたわけだ。

 その一方、後援会関係者からは「引退する気じゃないだろうな?」と声を掛けられるほど心配されたという。

 この日は同部屋の幕内豊山(28)や幕下力士らと20番以上取った。体の状態については「今のところ目立ったケガもない」と問題なしを強調する。本場所まで1週間を切り「番数を多めに、稽古量を増やしていければ」と正代。序盤戦から星を落とさずVレースの主役となれるか。