元サッカー日本代表の中村憲剛氏が2日、自身のブログを更新。今月1日に亡くなったイビチャ・オシム氏に追悼の言葉を寄せた。

 中村氏がオシム氏と初対面を果たしたのは、2006年10月、ガーナ戦を控える横浜のホテルの食事会場だったという。

「会場に入り、奥の方の食卓に座っているオシムさんを見つけ挨拶をしに向かっていきました。歩いてくる僕を確認したオシムさんが椅子から立ち上がって握手をしてくれたんですが、立ち上がった瞬間のオシムさんは自分が思っているよりも遥かに大きく見え、見上げたことを覚えています。その時の威圧感と、その威圧感に全く見合わない手の柔らかい感触は今も手に残っています」

 当時のオシム監督には怒られっぱなしだったというが、それでも「トレーニングや、オシムさんと交わすプレーについてのやり取り、言葉の数々は僕を刺激し、その後の僕のサッカー人生に大きな影響を与えてくれました」と振り返った。

 日本代表として国際Aマッチに68試合出場6得点、Jリーグでは川崎フロンターレ一筋で635試合出場95得点を積み重ねた中村氏は、20年末に現役を引退。現在は指導者としての道をまい進している。

「ここから先の人生、オシムさん以上にサッカーを愛し、勉強し、自分が携わる選手たちの成長を第一に全力で精進し、オシムさんのような指導者になれるかどうかはわかりませんが、目指したいです」と力を込めた。

 中村氏はツイッターでも「あのイビチャ・オシムに日本代表に呼ばれたことは生涯の誇りであり、オシムさんが教えてくれたこと全てが僕の財産です」と感謝を述べている。