欧州サッカー連盟(UEFA)によるロシアへの追加制裁に対して同国の著名評論家ドミトリー・グベルニエフが猛反発したが、その中の〝ある発言〟が波紋を呼んでいる。

 UEFAはロシアやベラルーシ勢を国際大会から排除するこれまでの方針を維持し、女子やユースの代表チームに制裁範囲を広げたほか、ロシアの欧州選手権開催への入札も認めない方針を示した。

 この追加制裁に対してロシアでは続々と反発の声が上がっているが、スポーツ評論家として有名なグベルニエフ氏の発言が注目を集めている。

 ロシアメディア「スポーツ24」で強硬的な姿勢を示し「どのような解決策があるというのか? そんなものはない。強い者が正しいのだ。だから我々は〝筋肉を増強させる〟必要がある。それですべて取り戻す必要がある」と持論を展開した。

 グベルニエフ氏はロシアのスポーツ界のレベルを国内大会で磨くという意味で〝筋肉を増強させる〟との比喩を用いたとみられるが、ロシアでは近年組織的なドーピングが問題となっている。筋肉増強はドーピングを連想させるだけに、物議を醸しているのだ。

 ロシアメディア「ポリットインフォ」も「グベルニエフが、ロシアが大会を禁止された後の対策として〝筋肉を増強する〟と信じている」と着目している。

 意図せず口をついて出た発言なのか、それともロシアのドーピングの実態を映し出した言葉なのか。今後波紋が広がりそうだ。