悪条件にもさいなまれた。カブスの鈴木誠也外野手(27)は3日(日本時間4日)、本拠地で行われたホワイトソックス戦に「2番・右翼」で先発出場し、4打数無安打2三振に終わった。

 プレーボール直後、現地の気温は7度。霧雨と強風が吹き付ける中での試合となった。打撃も振るわず、見逃し三振、一直併殺、空振り三振、三ゴロ。最後まで快音は響かないまま、チームも1―3で敗れた。

 最近5試合で1安打しか放っておらず、本塁打も14試合不発が続く。開幕2週目に週間MVPに輝き、4月のナ・リーグ月間最優秀新人にも選出されたが、当初の勢いは尻すぼみ。3日現在の打率は2割6分3厘で試練の状況を迎えている。

 それでも鈴木に対する周囲の期待値は依然として高いようだ。MLB公式サイトは同日、2022年シーズン最初の「ルーキーパワーランキング」を発表。カブスの鈴木を1位に選出した。

 このランキングはMLBパイプラインのスタッフが毎月投票を行い、今季終了後に新人王を獲得すると予想されるルーキーを選出するもの。同サイトは鈴木を1位に選出した理由について「これはあまりにも理にかなっていて、他の誰でもない。開幕前にナショナル・リーグの新人王を獲得する可能性が最も高い選手としてランクインし、誰からも注目されていた。日本のセ・リーグの元スターは誰もが目を奪われるほどの〝ホットスタート〟を切った」と説明。

 さらに「スズキは(3日の)火曜日に打率.278/出塁率.398/長打率.528を記録しており、新人王どころか、MVPを狙える数字を叩き出した。鈴木より多くの打点、二塁打、四球、安打を記録しているルーキーはいない」とも続けている。
 
 また、米イリノイ州の地元紙「シカゴ・サンタイムズ」は鈴木が4月のナ・リーグ月間最優秀新人を受賞したことを報じた電子版記事の中で「NPBでオールスターに5回出場しているスズキは、NL新人王の最有力候補」と締めくくっている。

「コイの季節」である5月となり、再浮上へ向けて鈴木の真価が問われることになりそうだ。