〝死の組〟突破へ、サプライズ選出は…。11月に開幕するカタールW杯に7大会連続7回目の出場を決めた森保ジャパンで話題なのは、本大会の最終登録メンバーだ。歴代の代表指揮官は驚きの選手選考で世間をあっと言わせてきたが、カタール大会へ臨む森保一監督(53)はどんなメンバーを選ぶのか。サッカー界では実績組から若手まで、さまざまな選手名が飛び交っている。

 ベテラン組でサプライズ待望論が出ているのが元日本代表MF香川真司(33=シントトロイデン)だ。ドルトムント(ドイツ)で世界にその名を知らしめ、強豪マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)でもプレーした逸材。2019年3月以降は代表に招集されていない中で2月にベルギーへ移籍。復活ロードを歩み始めており、ネット上でも「香川を復活させてくれ」とメンバー入りを熱望する声は高まっている。

 森保監督も2月に欧州視察した際、ベルギーで香川と面談。U―20日本代表のコーチ時代から指導している〝愛弟子〟の元10番に期待をしているのは明らか。指揮官は「いい顔をしていた。これまで試合する機会に恵まれなかったから試合感覚を取り戻し、充実感が伝わってきた」「代表への思いや情熱が聞けてうれしかった」と好感触を明かしている。

 香川自身もかねてW杯出場を目指すことを公言。元日本代表MF前園真聖氏も「ロシアW杯であれだけやった選手ですし、まだ老け込むような感じじゃない」と猛プッシュしていた。

 森保ジャパン発足当時に10番を付けたMF中島翔哉(27=ポルティモネンセ)もサプライズ候補の1人だ。ロシアW杯後に再始動した日本代表でドリブルを武器にチームをけん引。特にMF南野拓実(リバプール)、MF堂安律(PSVアイントフォーヘン)と形成した〝代表三羽ガラス〟は、変幻自在のコンビネーションを見せた。

 ポルトガル1部ポルト時代に新型コロナウイルスと家庭の事情で出番を失うと、2021年に移籍したUAE1部アルアインでは靱帯断裂。現在はポルティモネンセで再起したが、かつてのパフォーマンスを取り戻せばW杯メンバー入りも十分に可能だ。かねてJクラブ幹部も「森保監督は翔哉みたいなタイプの選手が好き。プレー次第だけど、いつ復帰してもおかしくない」という。

 東京五輪でレギュラーとして戦ったFW林大地(シントトロイデン)やドイツで着実にゴールを積み重ねるFW奥川雅也(ビーレフェルト)、海外クラブで定位置をつかんだDF伊藤洋輝(シュツットガルト)らも候補といえる。

 また2024年パリ五輪を目指す若手メンバーを推す声も多い。Jクラブの強化担当者は「これまでもW杯のサポートメンバーとして若手を帯同させた。ロシアでは(U―19代表メンバーとして)久保(建英=マジョルカ)もいたでしょ。次世代を見据えて、そういう選考もあるんじゃないか」と予測した。

 注目は今夏ドイツ1部シュツットガルトに移籍したU―22日本代表DFチェイス・アンリ(18)だ。同強化担当は「海外移籍し、さらにレベルアップすれば可能性はあるかも。森保監督も見ていると思う」。米国人の父と日本人の母の間に生まれた189センチの大型DF。欧州クラブによる大争奪戦の末、海外進出を決めたが、大抜てきの可能性も十分だ。

「あとはMF荒木(遼太郎=鹿島)。中盤は選手層が厚いから難しいかもしれないけど、結果を出している」と、昨季J1で1994年のFW城彰二以来、2人目の10代2桁ゴールをマークした俊英の名前を挙げて「点を取れる選手は必要」と期待する。

 まさかのベテラン復帰があるのか、次世代の新星が滑り込むか。最終登録メンバーの発表が今から待ち遠しい。