〝元祖〟肉体派俳優・渡辺裕之さん(享年66)の急逝に、旧知の仲だという地元・茨城のメディア関係者もショックを受けている。追悼の意味も込め、生前秘話を語ってくれた。

 渡辺さんは水戸出身。芸能界デビュー当初のCM出演はまだいいが、俳優として活動を始めて壁にぶつかった。方言だ。

「若いころは茨城弁のイントネーションが抜けず、苦労したそうだ。同郷のお笑いコンビ『カミナリ』みたいな感じ。だから地元に戻ると、茨城弁を話す。パブリックイメージがあるから、メディアに出るときは控えていたけど。とにかく〝水戸愛〟が強い方で、地元関連の仕事は多少ギャラが安くても引き受けていた」

 こんな地元愛エピソードがある。

「何度も食事したことあるが、渡辺さんは体形を気にしてあまり食べない。でも、地元ロケで食べる仕事だとガッツリ食べていて、そこはプロだった」と同関係者。

 渡辺さんは自身のインスタグラムに、プロ顔負けの富士山写真などを載せている。「写真が好きなのは、写真屋さんの息子だから」だそう。とにかく多趣味で、資格もたくさん取得しているが、中でも特技はドラム。

「コロナ前まではライブもやってて、あのMISIAのバックで演奏したこともある。ロックじゃなくてジャズね。だから本当にうまい。ただ、歌はイマイチだったけど」

 本人が周りにほとんど言わない趣味もあった。

「かなりのガンマニアで、モデルガンをたくさん集めていた。世良公則と昔、その手の話をしたら止まらなかったとか。世界でも貴重な品を手に入れ、イギリスのコレクターから数百万円で売ってくれと頼まれても断ったそうだ」と同関係者は明かした。