「タカタイチマニア2・5」(6日、後楽園ホール)で、新日本プロレスのタイチ(42)が全日本プロレスのヨシタツ(44)とのシングルマッチを制した。

 ともに2002年デビューで、タイチは全日本で、ヨシタツは新日本でキャリアをスタートさせた。20年後に所属団体が入れ替わっているという数奇な運命に導かれた同期対決は、互いに譲らない意地の張り合いとなった。ローキック、左ミドルの打ち合いで鈍い打撃音が会場に響き渡る。

 横綱式かち上げエルボーを阻止されたタイチは、CBJ(コードブレイカー)を浴びて窮地に陥る。それでもヨシタツ狂騒曲(コーナー上からのコードブレイカー)を回避すると、ジャンピングハイキックから天翔十字鳳を発射。最後はブラックメフィストで3カウントを奪ってみせた。

 若手時代はプライベートでも親交があったヨシタツとのシングル戦を終えたタイチは「(WWEで)スーパースターになったんじゃねえかよ、ぼーさん(ヨシタツ)。誇らしかったよ、その時は。いま何やってるんだ本当に。全日本で。お前が3冠チャンピオンにならねえと。できんじゃねえか。何やってるんだよ」と実力を認めた上であえて猛ゲキ。

「こんだけすげえレスラーだって知らなかったよ。全日本の若手の中に埋もれて終わるようなヤツじゃねえだろ。もう1回のし上がれよ。まだまだできんじゃねえか。田口(隆祐)、後藤(洋央紀)、中邑(真輔)。まだまだ俺ら20年。まだまだ行けるんじゃねえか?」と、デビュー20年を迎えた〝黄金世代〟の同期たちに呼びかけていた。