全世界が注目する〝カネロ〟ことサウル・アルバレス(メキシコ)とのWBA世界ライトヘビー級(79・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦(7日、日本時間8日)を前に、王者ドミトリー・ビボル(ロシア)がウクライナ・キーウのビタリ・クリチコ市長を〝口撃〟した。

 スーパーミドル級4団体統一世界王者のカネロが階級を上げてビボルに挑戦する一戦は今年最大のビッグマッチとして注目を集めている。そうした中、決戦を直前に控えてビボルがボクシング界のレジェンドで現在は政治家に転身したクリチコ市長に対して異例の猛批判を行った。

 ロシア放送局「iFLTV」によると、ビボルは「キャリアを通じて私は彼をサポートしてきたし、私は彼の戦い方が好きだった。もちろん、彼が勝ったときもうれしかった」とかつてはクリチコ市長と盟友関係だったと強調。その上で「しかし、クリチコはアスリートであり、政治とスポーツは異なる次元のものであることを知っておく必要がある。クリチコはアスリートだったが、現在は政治家だ。アスリートである彼がスポーツと政治を混同しているのは悲しいことだ」と糾弾した。

 クリチコ市長は今回の一戦を巡って、ロシアによるウクライナ侵攻への制裁とするため弟のウラジミール氏とともに中止を要求。それに対してビボルが〝応戦〟した格好だ。

 ビボルとクリチコ市長との場外バトルは波紋を呼びそうだ。