等身大の名スピーチだった。女優の広末涼子(41)が「第14回 ベストマザー賞」を受賞し、6日の授賞式に出席。壇上で3児の母としての〝葛藤〟を包み隠さず明かした。

 広末は人気絶頂の2003年にモデルの岡沢高宏と結婚。翌年に第1子となる長男を出産した。その後、岡沢との離婚を経て10年にキャンドルアーティストのキャンドル・ジュン氏(48)と再婚。11年に第2子の次男、15年に長女を出産した。

 広末はステージ上で「(出産により)お仕事から離れなければならない選択をする際、いろんな方から賛否もあったんですけど、その時に『どうして女性だからって結婚か仕事かを選ばなければいけないんだろう』と疑問がありました」と切り出した。

 当時の芸能界では人気女優が若くして結婚、出産というのは珍しかった。

「復帰は難しいとか、いろいろな不安があるなかで、ある意味自分が先駆者的に子育てをし、女優さんはできるんだと立証できたら、この業界だけではなくて、どういうお仕事でも女性が子育てをしながら活躍できる場が開けていけるんじゃないか。そういう風に思ってまいりました」と、胸にしまっていた決意を明かした。

 広末は現在、堺雅人主演の日本テレビ系「ダマせない男」(土曜後9・0)に出演中。映画「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」、「あちらにいる鬼」の公開も控えるなど、多忙な毎日を送っている。

 広末は「今の私があるのは子供たちの存在のおかげだと思います。やっぱり子供の存在が原動力になって勇気になって力になってくれたかということは、世の中のお母さんたちは同じように感じられると思う。お仕事を頑張りながら子育てをしているママたちを応援していきたいと思います」と笑顔で語った。

 夫の存在も大きい。広末は4日放送の「1周回って知らない話 2時間SP!」(日テレ)に出演した際、長男の反抗期に関するエピソードを紹介。「クソババア!」など、汚い言葉を口にする長男を前に「ぶつかり合っても仕方ないと思ってたんですけど、主人に『諦めちゃいけない』と言われた」と、夫の助言を契機になったことを明かした。ワイドショー関係者の話。

「結婚当初は夫婦間の収入格差が伝えられた時期もありました。『キャンドル・ジュン』という名前のインパクトもあり、お笑いのネタにされることもありました。しかし、夫婦は円満で、ともに家庭を最優先に考え、広末さんが仕事で家を空ける時はジュンさんが子どもの面倒をみていました」

 夫はキャンドルアーティストの第一人者で、2011年3月の東日本大震災以降は復興活動にも力を入れている。

「震災の月命日に自作のキャンドルを作ったり、自治体と組んで各地でキャンドルイベントをやっています。そこへ広末さんが子どもを連れて遊びに来ることもあったそうです」(イベント関係者)

 夫婦になっても互いを尊重し、子どものためにも争わない。気付けば広末は働くママたちの〝憧れ〟として、光り輝いている――。