東京五輪で混合ダブルス金メダルなど3つのメダルを獲得した卓球女子の伊藤美誠(21=スターツ)は、卓球王国・中国でも注目の的のようだ。

 国際卓球連盟(ITTF)が3日に発表した最新の世界ランキングで伊藤は6位となり、前回の4位から順位を落とした。そのため5位に浮上した早田ひな(日本生命)が、日本勢トップに。中国はすぐさまこれに反応し、同国メディア「騰訊」がコラムで「伊藤美誠は〝次女〟に成り下がってしまった」と取り上げた。

 世界ランク1位の陳夢が5225ポイント、2位の孫穎沙(ともに中国)が5000ポイントであるのに対し、伊藤は2225ポイント。同メディアは「この差はあまりにも大きく、世界選手権のポイントでも縮めるのに十分ではない」と指摘した。

 また、ランキングポイントとは直接関係ないが、先月のアジア大会代表選考会で17歳の木原美悠(エリートアカデミー)に敗れたことを挙げ「キレを失いつつあるようだ」とチクリ。実戦が〝低調気味〟だとして「国際大会では孫穎莎のプレッシャーにさらされ、国内では優位に立てていないなど、どれも理想的な結果ではない」と現状を分析する。

 その一方で伊藤の母・美乃りさんが、伊藤が幼少のころから寝る前に「中国を倒せるのはあなたしかいない」と、ささやいていたエピソードを持ち出して「母の言葉を思い出してほしいと願うばかりだ」と奮起を促した。このまま低迷されては張り合いがなくなるというわけだ。

 伊藤は2年後のパリ五輪に照準を合わせているとはいえ、こんな形で中国メディアに取り上げられるのは本意ではないだろう。本番では王国を悔しがらせる活躍を期待したいところだ。