WBA世界ライトヘビー級タイトルマッチ12回戦が7日(日本時間8日)に米ネバダ州ラスベガスで行われ、王者ドミトリー・ビボル(ロシア)が〝カネロ〟こと4団体統一スーパーミドル級王者サウル・アルバレス(メキシコ)を撃破した。

 全世界が注目する一戦はビボルが3―0の判定で完勝したが、この一戦を巡ってリング外で波紋を広げている。

 ロシアメディア「スポーツボックス」は「ロシアのクレイジーな成功だ! ビボルはレジェンドのアルバレスを打ち負かし、米国人を黙らせた」と愛国心を前面に出して報道。ウクライナ侵攻でロシアと米国は対立を深めている中で、大舞台でのロシア人ボクサーの勝利をことさら強調した。

 さらに、ロシアに対する制裁が加速する中でロシア人のビボルに賞金を提供していいのかという議論も沸き起こっている。

 ロシアメディア「RT」は、そうした議論を受けてビボル陣営の主張を報道。「ドミトリーは彼のキャリアの中で最大の賞金を受け取るだろう。ロシアのスポーツに対する制裁が、彼の賞金の受け取りを妨げるべきではない」と賞金受け取りの正当性を強く訴えた。

 ビボルは今回の一戦でファイトマネーの基本契約200万ドル(約2億6000万円)に加え、ペイパービューの収益30%を受け取ることになっており、総額は10数億円規模とみられる。

 ロシアにとって絶好の〝宣伝〟の場となった今回の一戦。ビボルの賞金の行方が注目される。