不安要素なしだ。大相撲夏場所初日(8日、東京・両国国技館)、連覇を狙う関脇若隆景(27=荒汐)は幕内北勝富士(29=八角)を寄り切って白星発進した。

 相手の圧力を止め、体を入れ替えて土俵外に退けた。取組後は「下からの意識。立ち合いしっかり当たって攻めていこうと思った」と淡々と振り返った。

 先場所の初優勝後、ファンの反応を含めて自身を取り巻く環境に変化があった。この日も土俵入りや取組で大きな拍手を浴びるなど注目度は主役級。それでも過度なプレッシャーを感じることなく〝平常運転〟で上々のスタートを切った。

 大関挑戦に向けて足固めにもなる今場所。福島出身の大関誕生となれば、1881年1月場所の若島141年ぶりの快挙となる。若隆景は「しっかりやることをやって、一日一番自分の相撲を取っていきたい」と静かに闘志を燃やした。