「二刀流」デビューした中日・根尾昂外野手(22)が野手から投手へコンバートされる可能性が浮上している。

 8日にウエスタン・リーグの阪神戦(甲子園)で「2番・遊撃」で先発出場し、野手としては4打数1安打2打点と活躍。6点リードした9回にはプロ入り後、初となる公式戦のマウンドに上がると、最速150キロをマークした。

 変化球もスライダーを駆使するなど計20球を投げ、3連打を浴びて1点こそ失ったが、1奪三振を含む二死を取って降板し、再び遊撃のポジションに戻った。投手としては2/3回を3安打1失点の成績で、大阪桐蔭高時代の2018年夏の甲子園大会以来、聖地のマウンドで躍動した。

 根尾がプロ初登板したことに立浪監督は「150キロくらい投げたという話は聞いた。ずっと上でも投げさそうというのはあったが、上では投げられなかったし、気分転換で投げさせたと思う」と説明。「二刀流というのは投手も良くて打者も良くてという考えですからね。中途半端にならないようにやっていきたい」とあくまでリフレッシュ目的だったことを強調する。

 今季4年目の根尾は外野一本で勝負する方針だったが、シ烈なレギュラー争いに敗れて4月21日に抹消後は遊撃に再コンバートされていた。しかし、チーム関係者は「不振で京田が二軍落ちしているとはいえ、正直、根尾は今も苦しい立場は変わらない。今年中に打撃も守備も両方でちゃんとした結果を残さないと野手ではなく、投手転向となる可能性がある」と指摘。エンゼルス・大谷のような二刀流ではなく、打者としては見切りをつけ、投手として再出発するというプランだ。

 実際、投手転向について立浪監督は「頑張っても、打つ方がダメだったら、その可能性も将来的にあるかもしれませんが、ただ、今、そんなことは考えないで、今はしっかり野手として日々、バッティングをやってもらえば、いい」と野手としてのレベルアップを求めた。根尾本人は遊撃一本にこだわっているだけに勝負の年となりそうだ。