オリックスが連敗地獄から抜け出せない。9日現在、中嶋監督就任以来ワーストの7連敗。チーム打率2割6厘、11本塁打、85得点はいずれも12球団ワーストと深刻な貧打に苦しみ、28試合連続で4得点以下の寂しい状態が続いている。中嶋監督は毎日のように野手にハッパをかけるが、笛吹けど踊らず…。5月に入って白星はまだない。

 昨年覇者にいったい何が起きているのか。リズムに乗れない原因の一つが「スクリーニング検査(PCR)によるストレス」だ。チームは今年に入って新型コロナウイルス感染者が断続的に発症。9日には主砲の吉田正、安達、大下の感染が発表され、開幕後に選手だけで計16人にも上っている。

 若手中心の苦しい戦いを強いられるなか、精神的な疲れもピークに近づいている。ある選手は「スクリーニング検査ばかりやってもう疲れますよ。誰かが戻ってきても誰かがいなくなる。全員が3日間連続で陰性にならないと終わらないから毎週毎週、検査ばっかりやっている状態です。なんか対策を考えてほしいですよ。チームが乗っていけそうで乗っていけないし、リズムが狂ってしまう」とため息をつく。4月12日には楽天戦の3連戦が中止になり「あれで気持ちがどよーんとなった」という。

 感染リスクはどの球団も同じとはいえ、今年はオリックスに集中。しかも感染が継続していることで検査に休みがなく、ナインのストレスも蓄積するばかり。チーム内には「集団免疫ができるから戦力が整えばこの先はいけるんじゃないか」との声もあるが、変異株も含めて終わりが見えているわけではなく、ナインのストレスとの戦いは続きそうだ。