追い風になるかもしれない。大相撲夏場所２日目（９日、東京・両国国技館）、休場明けの横綱照ノ富士（３０＝伊勢ヶ浜）は幕内高安（３２＝田子ノ浦）を下し、初白星を挙げた。

　立ち合いから前に出て得意の右四つの形をつくる。高安にもろ差しを許したが、最後小手投げでねじ伏せた。取組後は表情を変えることなく「慎重に圧力をかけていこうと思いました。よかったと思います」と淡々と振り返った。

　前日は小結大栄翔（追手風）に黒星を喫したが、連敗は阻止。土俵下の粂川審判長（元小結事稲妻）は「いい相撲だった。落ち着いて取れていた」とうなずいた。

　また、三役以上の力士から早くも全勝が消えた。照ノ富士は「できることをやってきたので、信じてやるだけ」と気を引き締めつつ、３場所ぶりの優勝を狙うつもりだ。