日本代表の森保一監督が、欧州リーグ(EL)を中心に今季絶好調のMF鎌田大地(Eフランクフルト)をカタールW杯アジア最終予選で起用しなかった理由を説明した。

 今季の鎌田は特にシーズン終盤に入って調子が急上昇しており、EL準決勝のウェストハム戦ではゴールも決めるなど、最高峰の舞台で鮮烈な活躍を続けている。

 その一方で、森保監督は2次予選こそ鎌田を重用したが最終予選に入ると出番が激減し、W杯出場を決める大一番となったオーストラリア戦を含む3月の代表活動では招集メンバーから外した。

 9日にオンラインで取材に応じた指揮官は「今季はフランクフルトで監督が変わって、求められることが本人も変わってきて、その中で選手として成長している。もともと持っていた攻撃の能力をインテンシティー高くハードワークする部分、上下動しながらも技術を発揮していくのは、今季監督が要求するレベルが上がった。開幕当初より出場は増えているし、今は絶対に外せないくらいのパフォーマンスを見せている」と成長を認めている。

 その一方で最終予選での出場機会が減った理由について「代表では総合的な部分だが、2次予選までは彼を中心に攻撃の形がつくられ、困った時にはタメをつくってくれる拠り所というくらい」とした上で「最終予選で一気にギアが上がったときに、彼が持っている攻撃の良さがうまく出せていなかったのかなと。最終予選を戦う上で違った選択をしたほうがいいということで起用が変わった」と説明した。

 そして「今回のELで、どんなプレッシャーがかかった状況でも彼ができる部分を日本代表でも発揮してもらえれば、自然と彼の良さが出ると思うしチーム力も上がる。我々のコンセプトで良さを出してもらえるように次はまた環境づくりをしていきたい」と今後は鎌田の生かし方も模索していく方針だ。

 カタールW杯では特に初戦で強豪ドイツと対戦するだけに、そこで大活躍している鎌田は強力な武器になりえる。森保マジックで鎌田がどのように生かされるのか注目が集まる。