昨年4月に亡くなった脚本家橋田寿賀子さんが理事長を務めた橋田文化財団主催の「第30回橋田賞」授賞式が10日、都内で行われ、同賞を受賞した東山紀之(55)が出席した。

テレビ朝日系ドラマ「刑事7人」での演技や、同局「サンデーLIVE!!」でのMCが評価された。橋田作品ではTBS時代劇「源氏物語」(91年)、舞台「御いのち」(94年)に出演。マイクの前に立った東山は「橋田先生にはさまざまな出会いを作っていただいた。今日はお会いできなくて本当に残念です」としのんだ。

橋田さん作「源氏物語」の思い出も語り、「脚本を初めて読んだ時に、これはやばいなと。あまりの長ぜりふに逃げ出そうと旅先まで考えました」と苦笑い。続けて「逃げたら橋田先生、石井ふく子先生、メリー(喜多川)さんにこっぴどく怒られるなと。その恐怖に耐えることができず、とどまった次第であります。あの時逃げ出さなかったことが、今ここに立てている証」とジョークを交えて喜びを語った。

最後は「今後もさまざまなことがあると思いますが、逃げ出さずに頑張っていきたいと思います。ありがとうございます」と感謝で締めくくった。

進行を務めたTBS斎藤哲也アナウンサーは、タキシード姿の東山に「立つ瞬間から格好いいですね」としみじみ。東山は即座に「ありがとうございます」と反応し、会場の笑いを誘った。

橋田賞は、日本人の心や、人と人とのふれあいを温かく取り上げてきた番組や人に贈られる賞。同賞をドラマ「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」(NHK)、「日本沈没」(TBS)、脚本家橋本裕志氏、東山、中田喜子、仲野太賀、TBS井上貴博アナウンサーが受賞。橋田賞新人賞を杉咲花、吉沢亮が受賞した。