ウクライナの国民的歌手のチーナ・カーロリが10日、同国の窮状や人道支援を訴えるため来日。招聘した楽天グループの三木谷浩史代表取締役会長兼社長が出迎えた。

 歌手や女優、テレビ司会者としてマルチに活動するカーロリは2017年に大統領令によりウクライナ国民を代表するアーティストに選ばれ、20年にはゼレンスキー大統領から聖オリガ公妃勲章(オリガ妃の名を冠した女性に与えられる市民勲章)が授与された。主要SNSでの総フォロワー数は300万人を超え、同国の雑誌が選ぶ「ウクライナで最も美しい女性」に3回の選出されたこともある。

 カーロリは「日本が助けて下さっている、その事で私は参りました。今ウクライナは叫んでおります。痛みについて叫んでおります。心の痛みを叫んでいる所であります。そうした中で私は自分の国を代表して、いかにウクライナが美しい国であるか、あるいは才能に満ちた国であるか、お伝えするためにここ日本に来ました。我々は本当に勇気を持っております。ウクライナは全ヨーロッパのために、全大陸のために戦っています。必ず勝利することを私は信じております」と来日の理由を説明。

 日本では政財界のリーダーと会談したり、14日に開催される「Rakuten GirlsAward 2022 SPRING/SUMMER」のウクライナチャリティーステージに参加する。

 三木谷氏は「ほんとにウクライナが大変な惨状になっていて、我々にできることはかなり限られています。その中でチーナが世界中で平和を訴えるコンサートを各地でやってまして、丁度今週の土曜日に楽天ガールズアワードがあり、そこで彼女が出て、平和についてもう1回考えるという事で、いろいろViberでやりとりをしてたんですが、ぜひ来たいと言ってくれて、本当に実現するとは思ってなかったんですけど、日本政府の方にもすごく協力して頂いて、緊急来日ということで、来ていただきました」とコメントした。

 カーロリは「日本という国は勇気のある国でいらっしゃいます。私達も勇気のある国でありますけれども、皆さんは私たちの痛みを感じ取ってくれています。様々な危険が起こり得るという中で、サポートいただきまして誠にありがとうございます。また自分の国は再建できると信じています。新しい国が生まれます。大きな国になります。日本のような大国になります」と日本に感謝を述べた。