阪神は10日の広島戦(甲子園)に0―3で敗れ、早くもこれで今季10度目のシャットアウト負け。投手陣が好投すれど、貧打線がこれを見殺しにする毎度おなじみの試合展開で、またもまたも接戦を落とした。

 大山悠輔内野手(27)はこの日「5番・左翼」としてスタメン出場したが四球、見逃し三振、遊直、三ゴロの3打数無安打。一発が出れば同点に追いつく9回二死一、三塁の第4打席ではカウント0―3からの4球目に手を出しボテボテの三ゴロ凡退…。虎党たちの特大のタメ息とともにゲームは終了した。背番号3の5月月間打率はドン底の1割ジャストだ。

 大山の今季初となる左翼起用もサプライズではあったが、打順の方も直近4試合で4番→6番→7番→5番と〝たらい回し〟の格好に。2020年にキャリアハイとなる28本塁打をマークした球団待望の右の生え抜き長距離砲だが、その一方で一度スランプに陥ると復調まで時間がかかること、チャンスに弱い(得点圏打率2割6厘)ことなど弱点も多く、首脳陣が大山の〝適正打順〟について頭を悩ませていることが伝わってくる。

 阪神ベンチは今季、大山を4番、5番、6番、7番で起用。打席数の母数にバラつきはあるが、この中で最も打撃成績がいい打順は、打率2割9分4厘をマークしている7番だ。(ワーストは打率1割8分6厘の4番)。3月29日の広島戦(マツダ)以来となる7番起用となった今月8日の中日戦(バンテリン)でもチームを勝利に導く5号2ランをマークしている。

 昨季も大山は4番~7番で起用されてきたが、やはり7番打者としての打撃成績が最も良く、打率はなんと5割3分3厘(15打数8安打8打点)。得点圏打率にいたってはなんと、4打数4安打の10割だ。ちなみに最も打撃成績が悪かった打順はこの年も4番。打率は2割4分4厘。得点圏打率は1割9分8厘となっている。

 数字をひもとけばひもとくほど「7番・大山最強説」「大山・4番最も向いていない説」を裏付けるデータがどんどん出てくる…。事実の一側面を伝える数字には過ぎないが、虎打線がヒエヒエに凍りついている今なら、参考にしてみてもいいかもしれない。