急逝した「ダチョウ倶楽部」の上島竜兵さん(享年61)といえば、一昨年3月に他界した志村けんさん(享年70)との関係が切っても切れない。

 2009年に上島さんを取材したライターは、本人から「志村さんと出会って飲み会で意気投合して、一緒の仕事が増えた」と聞いている。また2人を知る業界関係者からはこんな話も。

「志村さんは『ダチョウ倶楽部との飲み食いで1億(円)は使った』と生前話していた。上島さんはカメラが回ってないところだと、とにかく無口で大人しい。そういう共通点もあり、志村さんとはウマが合っていた」

 前出ライターは15年、再び上島さんを取材し「俳優としても活躍されていますね」と振ると、こう返ってきたそうだ。

「最近は芸人がみんな賢くて、スポーツや政治に詳しかったり、小説を書いたり、エンタメの分析とかやったりしているけど、僕はそういうのはできないので羨ましい。でも、志村さんは『得意なもの一本やれば、それでいいんだ』っておっしゃって…」

 上島さんは一昨年5月、オンラインメディア「ピントスコープ」に寄せたウエブ日記で、「志村けん師匠」の死を「悔しくて、悲しくて、寂しくて、今でも信じられない」と振り返っている。

 この執筆当時は緊急事態宣言下だった。上島さんは「我々芸人もイベントや収録、ロケなどが中止になり、休みが続いている。少々不安を抱えつつ、『でも、こういう時だからこそ、有意義に過ごさなきゃ』と思いながら、毎日過ごしている」などと近況報告。日記のではコロナで憂鬱な毎日を過ごす人々に「人間、生きてこそです! 辛いときは、是非『男はつらいよ』か、『志村けんのバカ殿様』『志村けんのだいじょうぶだぁ』など色々な志村作品を見てください」などとつづっていた。

〝生きてこそ〟という言葉がむなしく響き渡っている――。

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