松たか子、上川隆也、広瀬すず、志尊淳らが出演し19年に初演された野田秀樹作・演出のNODA・MAP公演「『Q』:A Night At The Kabuki」が今秋、ロンドン、台湾で海外公演を行うことが11日、分かった。コロナ禍で苦しんだ演劇界にとっても明るいニュースだ。

ロックバンドQUEENのアルバム「オペラ座の夜」の楽曲を使い、「ロミオとジュリエット」を、平家と源氏の争いに置き換えた作品。初演時から英国公演の計画が動き始め、ギターのブライアン・メイも期待を寄せてくれていたという。

コロナ禍で英国公演をあきらめかけたという野田は「オンライン花盛りの時勢は今、劇場に逆流しています」と、生を持って行けることを喜んでいる。QUEENのお膝元である英国、シェークスピアの英国、留学や公演など英国にゆかりの深い野田は「逆凱旋(がいせん)公演」と位置づけている。

松は「今はまだ、ラッキーだな、という感じとしか言いようがないのですが、実際に海を渡るときに実感できるのかもしれません」と話し、上川は「危惧していても始まりません。何もかもを野田さんに委ね『逆凱旋(がいせん)』の一翼を担いたいと思います」と意気込みを示している。

広瀬、志尊は初の海外公演。広瀬は「未知の世界過ぎて、もはや、何も考えることや、緊張すらないまま終わってしまいそうです…。知らなかった新しい景色を観れることに、興奮してます!」と喜び、志尊は「舞台経験も少ない僕が海を渡り、文化、言語が違う所でお芝居を、演劇をすることが今でも想像ができません」と期待を語った。

4人を含め、橋本さとし、小松和重、伊勢佳世、羽野晶紀、野田、竹中直人という主要キャスト10人全員が再結集する。松は「さらにパワーアップできればと思います」と話している。

ロンドン・サドラーズウェルズ劇場(9月22~24日)は1500人規模、台北・国家戯劇院(10月22~30日)も同規模。ほか、東京芸術劇場プレイハウス(7月29日~9月11日)、大阪・新歌舞伎座(10月7~16日)も。