フランス1部パリ・サンジェルマンのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(34)が、一部の反対を〝無視〟してサウジアラビアとの関係を強化している。

 メッシは自身のインスタグラムでサウジアラビアの紅海でヨットでただずむ写真に「サウジを訪れて」というキャプションを添えて投稿した。またサウジアラビア観光局の公式インスタグラムには、9日にパリSGのアルゼンチン人チームメートであるMFレアンドロ・パレデスと同国入りした様子が投稿された。英紙「デーリー・メール」によると、メッシは同国の観光大使に任命されたという。

 これは単なる観光大使就任にとどまらず、波紋を広げる結果となった。今年2月に英紙「テレグラフ」が、メッシがサウジアラビア観光局から接触を受けていたことを報じたところ、サウジアラビア国内の人権弾圧によって収監された人々の家族が、英国の人権団体「グラント・リバティー」を通じて、メッシに対してサウジアラビアに関与しないようにお願いする文書を送ったという。

 にもかかわらず「デーリー・メール」は、メッシが同国に関与したと伝えた。

 英紙「インデペンデント」によると、この文書には「あなたがサウジ訪問に『イエス』と言えば、サウジアラビアで行われているすべての人権侵害にイエスと言うことになる。もしあなたが『ノー』と言えば、人権は重要であり、良識は重要であり、拷問や殺人を行うことはできないという強力なメッセージを送ることになるのです」などと記されていたという。結果的に、このメッセージはスーパースターに伝わらなかったようだ。

 一方、ポルトガル代表FWクリスチアーノ・ロナウドは昨年1月、人権問題を理由にサウジアラビア観光大使としての年間530万ポンド(約8億3000万円)の破格オファーを拒否したと報じられている。