【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑465】世界中で目撃されている未確認生物の正体の候補としてよく挙がるのが、恐竜をはじめとする古代生物だ。

「ネッシー」の正体がプレシオサウルスだという説は今でも根強い。また、コンゴのUMA「モケーレ・ムベンベ」の想像図は今もブロントサウルスのままだ。他にもアフリカ諸国で目撃されているUMAの中にはトリケラトプスやステゴサウルスを彷彿とさせる外見のものがあり、南米では恐竜が生き残っていたとしか思えない謎の生物の目撃報告がある。やはり、既に絶滅してしまった巨大な恐竜たちが地球のどこかに生息しているという話にはロマンが詰まっているのだろう。

 さて先日、海外から出てきたある動画がネットを騒がせた。画面には明るい浜辺の様子がとらえられているが、左側の茂みのあたりから「小さな恐竜」のような生物が複数顔を出す。その生物は小型のブロントサウルスを思わせる長い首の生物なのだ。しかも、茂みの奥から次から次へと姿を現し、浜辺を横切って陸地へと帰っていく。生物は合計17匹で、いずれも長い首を立てたり前に倒して軽快に走っている。

 この動画は5月初旬にSNSに登場し、再生回数を伸ばし続けている。ブロントサウルスの子供の群れのように見えるこの映像を公開した人物は、興味深いことに「映像に映った生物の正体が分かるまで数秒かかった」と冗談交じりに語る。

 彼のコメントを受けて恐竜たちの正体に気づいた視聴者もいたようだ。果たして動画に捉えられたこの生物は何なのだろうか。

 実はこの映像は、中南米や米国南西部に生息する小型の哺乳類「ハナグマ」の群れなのだ。本来はハナグマたちが陸地から海辺の茂みへ移動する様子をとらえた映像だったのだが、逆再生させることで、あたかも小型の恐竜が海からあがってきたかのように見せかけることに成功したのだ。

 では恐竜のような長い首は何かというと、ハナグマの持つ長い尻尾だったようだ。周囲が明るかったこともあり、暗いハナグマたちの姿がシルエット状になっていたため、一見しただけでは正体に気づかない内容になってしまったと考えられている。

 タネが分かれば何ということはないのだが、それでも面白い内容ということで、今も海外で人気の動画となっている。

【関連動画】https://www.youtube.com/watch?v=BYKdRSP1avE