「鉄人」がまたも快挙――。大相撲夏場所6日目(13日、東京・両国国技館)、幕内玉鷲(37=片男波)が、横綱照ノ富士(30=伊勢ヶ浜)から金星を挙げた。今年1月の初場所から3場所連続で、1964年九州場所から65年春場所まで横綱栃ノ海を破った大豪以来57年ぶりとなった。

 玉鷲は照ノ富士をおっつけ、のど輪で起こして一気に押し出して5勝目(1敗)。取組後は「横綱に勝ってうれしいのと信じられないのが組み合わさってます」と率直な感想を口にした。

 37歳の鉄人は前日に2004年春場所から連続出場1426回で、元関脇高見山を抜いて歴代単独4位になったばかり。快進撃が止まらないが「まだまだ始まったばかりなので。これからも長いので自分の相撲をやりきっていきたい」と気を引き締めた。

 一方の照ノ富士は取材に応じることなく国技館を後にした。また、横綱の黒星で三役以上から1敗が消え、全勝の幕内碧山(春日野)、1差で追う玉鷲ら4人が全員平幕という展開に…。

 今後の優勝争いは誰がリードするのか。土俵下の佐渡ヶ嶽審判長(元関脇琴ノ若)は「上位陣が本来の相撲を取ってくれると場所も盛り上がる」と、役力士の奮起を促した。