ボスもチームもこれで波に乗るか。日本ハムの伊藤大海投手(24)が13日のソフトバンク戦(札幌ドーム)に先発。1―0の完封勝利でリーグトップタイの4勝目を飾った。

 序盤から相手先発・千賀との息詰まる投手戦を繰り広げたが、直球に加えスローカーブを含めた多彩な変化球で緩急をつけ強力ソフトバンク打線を翻弄。終わってみれば9回3安打の圧巻投球でチーム5月初の連勝に大きく貢献した。

「序盤からあまりコースを気にし過ぎず、強いボールをどんどん投げていきたいと(捕手の)宇佐見さんに伝えていたので。それをしっかり生かしてリードしてくれた。(宇佐見が)緩急もうまく使ってくれた。長いイニングを投げれた要因はそこにあったのかなと思います」と伊藤。球界を代表する右腕に投げ勝った自信からか表情には充実感が漂う。

 ルーキーだった昨季は開幕から好投も味方打線の援護に恵まれずシーズン序盤の登板7試合は1勝4敗。苦しい船出を強いられた。だが今季は開幕戦の中継ぎ登板を含め計8試合で4勝3敗と白星が先行。このペースなら昨季の成績(23試合10勝9敗)を上回るどころかプロ2年目での最多勝も夢ではない。

 この日ベンチから見守った新庄監督も伊藤の投球には「今日は強かったぁ、球が。それにカーブ。あれを投げることによって遊び心を自分に持たせる。幅を広げるという意味で投げているんだったら素晴らしいですよね」と絶賛。「今日(球数は)116球? 何球ぐらいで疲れるんでしょうね。今日の伊藤君ならまだあと80球ぐらい投げられたんじゃない(笑い)。それぐらいバランスのいいフォームで投げられていたので」と最後まで2年目右腕の投球に酔いしれた様子だった。

 低迷するチームの中、孤軍奮闘を続け勝ち星を呼び込む伊藤。このところ、ビッグボスの周辺は明るい話題が少なかっただけに…。今回の快投がチームとボスに明るさを取り戻すきっかけになりそうだ。