14日(日本時間15日)の米総合格闘技(MMA)イベント「UFCファイトナイト・ラスベガス54」(ネバダ州ラスベガス)で、〝超新星〟平良達郎(22)がUFCデビュー戦を完勝で飾った。

 修斗世界フライ級王者の平良は、沖縄出身でMMA10戦全勝。今年2月にUFCと契約し、デビュー戦は2週前の大会で予定されたが、対戦相手のカルロス・カンデラリオ(30=米国)が体調不良で延期となった。

 注目の第1ラウンド(R)早々、いきなり左ミドルキックから組みつかれたが、テークダウンは許さない。冷静に対処すると、平良は片足タックルからテークダウンを狙う。同じくこれがUFCデビューのカンデラリオもタックルから組みつくものの、平良は決めさせず右ストレート、ハイキックでペースを握る。終了間際ににはテークダウンを奪われたものの、ここも落ち着いて相手に決めさせなかった。

 第2Rは相手のタックルをがぶって優位に立つと、右ストレート一閃。これが見事に決まり、相手に尻もちをつかせた。そのままグラウンドに移行し、バックを取ってチョークスリーパーを狙った。ここは決められなかったものの、相手にポジションを譲らず圧倒。終了間際には上のポジションを許したが、平良の優勢は揺るがない。

 勝負の第3Rはカンデラリオがタックルからギロチンチョークを狙って反撃。しかし平良は焦らず上のポジションを取り返すと、パウンドを打ち込んでから三角絞め。これが決まらないと見ると、すぐにバックを取って裸絞めだ。これも決まらないと見るや、エルボーからパウンドを打ち込み、猛攻を見せた。そのまま終了のブザーを聞き、判定はフルマークの3―0で平良の完勝だ。
 
 試合後のインタビューでは「アイム・ハッピー! サンキュー!」と絶叫。「対戦相手の全部のところで勝負して、全部で勝って、フィニッシュしようと思っていた。でもフィニッシュはできなかった」と試合を振り返ると「何回か効かせたり、決められると思ったが、対戦相手が逃げるのが上手だった」と話した。

 さらにメッセージを求められると、通訳から〝カンペ〟を渡され、英語で「新しいファンのみなさん、僕はUFCのタイトルに挑戦するためにここにいる。新しい波がすぐに見られる」などとアピール。見事なデビュー戦勝利から、一気の頂点取りを狙うつもりだ。