【今週の秘蔵フォト】1970~80年代に青春時代を送った人間にとって薬師丸ひろ子は永遠のアイドルといっていい。78年のデビューから順調に映画作品に主演し続けてきたが、2013年のNHK朝ドラ「あまちゃん」で演じた大女優・鈴鹿ひろ美役がはまりにはまって人気が再燃。挿入歌「潮騒のメモリー」で久々に美しい歌声を披露し、往年のファンを号泣させた。

 その後も「いだてん」(19年)で大河ドラマ初出演。20年には2度目の朝ドラ「エール」に出演して新しいファン層を開拓した。もともとは1978年の角川映画「野性の証明」で高倉健の相手役として7000人の応募者から選ばれたスーパーアイドル。近寄りがたいオーラを全身から放つ美少女だった。

 81年4月17日付本紙では大林宣彦監督「ねらわれた学園」の撮影を終えたばかりの薬師丸が本紙のインタビューに応じている。当時高2の16歳。「翔んだカップル」に続いての主演2作目だった。

「『翔んだカップル』はあまりに自分の身近に起こりやすいことだから、かえってやりにくいところはありました。今回は超能力を持った少女の役でしょ。超能力があるというふうに作っちゃって入るでしょ。日常の生活をやるほうが難しいんですよね」と自身の演技論を語っている。

 80年4月には松田聖子が「裸足の季節」でデビュー。同年10月には山口百恵が結婚引退しており、薬師丸は松田と並び「ポスト百恵」と注目されていた。それでも「百恵ちゃんは才能があって、その上すごく努力してあそこまで行った人。私はそんなものはないし、比較されるのも恥ずかしい。聖子ちゃんは好きなんですよ。ブラウン管でしか見たことないんですけど、すごくしっかりしてますよね。細い体で頑張っているなあと。対抗意識はありません」とキッパリ言い切った。

 その言葉通り、その後に松田はアイドルの王道を、薬師丸は大女優への道と、それぞれの道を歩み続けて現在に至っている。