スピード感ある決断が勝敗の行方を決めた。巨人の原辰徳監督(63)が3―2でサヨナラ勝ちした17日の広島戦(宇都宮)後、0―2の9回から救援登板するも無死一、二塁で早期降板となった高橋優貴投手(25)について言及した。

 15日の中日戦(東京ドーム)で今季3度目の先発マウンドに上がるも、今季最短1回2/3を6安打4失点(自責3)で降板となり、この日から中継ぎに再転向となった高橋。早速、0―2で迎えた9回と緊迫した場面で中1日の2番手としてマウンドに上がったが、先頭・坂倉に四球、続く小園に中前打を許して無死一、二塁と、あっさりピンチを招いた。

 1点をめぐる試合展開だっただけに、これ以上の失点は絶対に許されない状況。すぐさま原監督はベンチを飛び出すと、「投手交代、畠」を伝達し、高橋は1アウトも取れないまま無念の降板となった。結果的に畠は後続をなんとか打ち取って火消しに成功。直後の攻撃でサヨナラ勝ちとなっていることからも、9回の守りが勝敗を左右したといっても過言ではない。

 原監督は試合後、9回の高橋について「何とか優貴をね、(チームの)輪に入れたいというところではあるけれども…」と苦笑い。「よく畠が火消しをしてくれたと思います」と畠を賛辞する言葉を並べながらも、なかなか活路が見いだせない昨季チーム最多勝利左腕への複雑な心境がうかがえた。