【バージニア州ノーフォーク発】WWEの〝女帝〟アスカ(40)が、宿敵ベッキー・リンチ(35)を必殺の毒霧で下し、ロウ女子王座挑戦権を獲得した。

 アスカは4月末のロウで9か月ぶりに復帰。今週のロウのメインでベッキー、WWE女子タッグ王者のサーシャ・バンクス&ナオミ、ドゥドロップ、ニッキー・アッシュと「6パック・チャレンジ」で同王座挑戦者決定戦が予定されていた。ところがWWEが発表した声明によれば、サーシャとナオミはタッグ王者として尊敬されていないと主張。タッグベルトをWWEタレント部門のジョン・ローリネイティス氏(ジョニー・エース)のオフィスに置いて、ロウの放送中に帰ってしまったのだという。

 緊急事態の中、女帝は宿敵ベッキーとのシングル戦に変更された挑戦者決定戦に出撃。ダブルニーやヒップアタックでベッキーを攻め込んだ。さらにスピニングキックやジャーマン、スライディングニーと連続攻撃。ベッキーのレッグドロップを浴びながらもアスカロック、飛びつき腕十字で追い詰めて躍動した。

 ベッキーはリングサイドで試合を見ていたロウ女子王者ビアンカ・ブレアと口論に。場外乱闘となったアスカをビアンカに放り投げて激突させた。怒りの王者がエプロンに上がると、レフェリーが注意を始めた。

 この隙にベッキーは、アスカが入場時に使う和傘を手に襲おうとしたが、女帝はグリーンの毒霧を噴射。ベッキーの顔面を緑で染め上げると、右ハイキックを叩き込んだ。緑色に染まった自身の口と、リングに落ちた和傘をレフェリーが確認できない位置で押さえ込み、3カウントを奪った。

 カード変更の緊急事態に動じず見事な頭脳プレーで挑戦権を奪取。これにより次回PPV「ヘル・イン・ア・セル(HIAC)」(6月5日=日本時間6日、イリノイ州シカゴ)で王者ビアンカとの王座戦が決定した。

 バックステージでは「よっしゃ! ベッキーに勝った。イエス! イエス! 次はビアンカ。お前のベルト取ったるからな。ベッキーみたか~。あはは! よしよしよし!」と大阪弁で王者ビアンカを挑発して王座奪取を宣言した。女帝が昨年4月の「レッスルマニア」での王座陥落から、約1年2か月ぶりとなる王座奪回に挑む。


 王者ビアンカVSアスカのロウ女子王座戦が行われる「ヘル・イン・ア・セル」は、日本時間6月6日にWWEネットワークで配信される。