【バージニア州ノーフォーク発】今週放送のWWE・ロウで起きた、WWE女子タッグ王者サーシャ・バンクス&ナオミの〝職場放棄〟騒動が波紋を広げている。

 当初はメインイベントでロウ女子王者ビアンカ・ブレアへの挑戦権をかけてアスカ、ベッキー・リンチ、サーシャ、ナオミ、ドゥドロップ、ニッキー・アッシュの6人で戦う「6パック・チャレンジ」が予定されていた。

 ところが、ロウの放送中に緊急事態が発生。ベッキーはWWEオフィシャルのアダム・ピアースに「何が起きたの? ナオミとサーシャが会場を出るところを見たわ」とWWE女子タッグ王者の異常な行動を目撃したと報告した。さらにこれで「6パック・チャレンジ」は不可能になったとし、自身が前王者であることからビアンカへの挑戦権を主張した。

 ピアースはこれを認めず、メインでアスカと挑戦者決定戦を戦うように指示したが、ベッキーはアスカの毒霧噴射からハイキックで敗れ、リマッチを逃すことになった。

 WWEはベッキーの〝目撃談〟を受けて公式サイトなどで声明を発表。「(ロウの)放送中にサーシャとナオミはスーツケースを手に、WWEタレント部門のジョン・ローリネイティス(ジョニー・エース)のオフィスに行き、タッグのベルトをローリネイティスの机に置いて、出て行った」とし、サーシャとナオミが試合を拒否して帰ってしまったという。

 サーシャとナオミはなぜ〝職場放棄〟したのか? WWEの声明では「タッグ王者として十分にリスペクトされていないと主張した」。さらに、この日の対戦相手にも不満を漏らしていたという。タッグ王座の防衛戦が組まれていない状況でシングルベルトの王座戦線に組み込まれたことで、王者として不満が爆発したようだ。

 WWEは選手として契約を履行することの重要性を強調した上で「今夜のメインを宣伝通りにお届けできなかったことを残念に思う」とファンに謝罪したが、複数の米メディアも「クリエーティブな問題をめぐって、サーシャとナオミがロウを途中退席」(TMZスポーツ)などと報じて、騒動になっている。

 サーシャは超大物ラッパー、スヌープ・ドックのいとこで「スター・ウォーズ」のドラマシリーズ「マンダロリアン」にも出演。ナオミはスマックダウンタッグ王者のジミー・ウーソが夫だ。リング内外で話題を集めてきたスター選手の今後はどうなるのか? 注目が集まる。