米俳優ジョニー・デップ(58)から家庭内暴力(DV)の主張を巡って名誉毀損(きそん)で訴えられている元妻で女優のアンバー・ハード(36)が、17日行われた裁判で離婚を申請する前夜に不倫疑惑があった俳優ジェームズ・フランコ(44)を自宅に呼んでいたことを認めた。デップの弁護士からの反対尋問でフランコが離婚前夜の2016年5月22日に自宅を訪れていたことについて問われたハードは「いつ来たのか覚えていない」と証言したものの、自宅マンションのエレベーターにフランコを招き入れる様子が映った監視カメラの映像を見せられると一転して「友人で、隣に住んでいた。友情が必要だった」と訪問を認めた。

映像の中で2人は互いに寄り添うように親密にしており、フランコがハードの肩に頭をのせるようなしぐさも確認できる。「私の顔を見た後、私の肩に頭を置いた。彼は私の顔の側面に触れ、自分が見たものに反応しただけ」とハードは語り、あくまで友人関係であることを強調した。バンドのツアーでロサンゼルスを離れる予定だったデップは当日、自宅を出て留守だった。ハードはこの翌日にデップからDVを受けたと主張して離婚を申請している。

フランコとの不倫疑惑を巡っては過去の裁判でも、ハードが映画「サスペクツ・ダイアリー すり替えられた記憶」(2015年)で共演するフランコとロマンチックなシーンがあるとデップに告げると激怒し、浮気を疑って暴力を振るわれたなどと証言していた。

ハードは2018年にデップの名前こそ出していないものの、米ワシントン・ポスト紙に「自身はDV被害者」と寄稿したことで、デップから5000万ドル(約65億円)の損害賠償を求められている。デップはこれまで一貫してDVを否定しており、裁判ではハードの主張によってキャリアを台無しにされたと主張している。(ロサンゼルス=千歳香奈子)