宇都宮競輪GⅢ「開設73周年記念 宇都宮ワンダーランドカップ争奪戦」が19日、初日を行った。一次予選10Rを制した地元の坂井洋(27=栃木)はヒヤヒヤの展開をしのいだ。

 近藤隆司(38=千葉)にフタをされて中団内に詰まる大ピンチに陥った。普段の坂井にはヨコに動くイメージは無いが、このときばかりは、際っきわの狭いコースを強引に縫って道を開くと、直線内を鋭く伸びて1着を手にした。

「あんなところ普段は踏まないです。それに内コースがあんなに伸びるとは。追い込み選手の気持ちが分かりました。クセになる? 流れの中ならともかく自力なのに初めから狙っていたらクレイジーですよ(笑い)」

 これぞ、地元戦へかける度胸と覚悟というべきか。絶対に引けぬ坂井の執念が伝わってきた。

 今月はいわき平GⅠ日本選手権と当大会と一瞬たりとも気の抜けない大切な開催が続いている。もちろん体は仕上がっており、気持ちも十分に入っている。だからこそ初日はしっかりと踏んで状態を確認し、修正箇所を把握しておきたかった。

「消化不良でしたね。その分、二次予選は出し切りますよ!」

 地元勢は特選シードの真杉匠(23=栃木)を含めて10人全員が二次予選へと勝ち上がり勢いづいている。2日目の二次予選7Rは磯田旭(32=栃木)と好連係を決めて、つかんだ流れを手放さない。