市川染五郎(17)が19日、都内で、「六月大歌舞伎」(同2~27日、東京・歌舞伎座)の第2部「信康」の取材会を行った。

家康の長男として生まれながらも、自害した信康が主人公。歌舞伎座初主演となる染五郎は「自分にお客様を集められるか、不安やプレッシャーはある。舞台に対する心持ち、心意気は主役でも脇役でも変わらないので、全力でつとめたい」と話した。

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜午後8時)で演じ話題になった木曽義高も、今回演じる信康も若くして命を散らした人物だ。染五郎は「気持ち、経験としてはつながるかもしれませんが、時代も違いますし、別人ですから」としつつ「『勧進帳』では義経を、『二条城の清正』では豊臣秀頼と、これまでも悲劇的な役を演じることが多かった。今まで経験した気持ちを生かしながら、自分に染みついたものを生かせたらと思います」と話した。

大河出演については「放送されるごとに大きな反響をいただきびっくりしました。セミの抜け殻のシーンへの反響が大きかったのが意外でした」と話した。義経にセミの抜け殻をもらって喜んだ義高が、義経が去ると表情を変え握りつぶす場面が反響を呼んだ。