札幌市出身の女優中山来未(26)が、NHK北海道発地域ドラマ「春の翼」(北海道内5月20日午後7時30分、総合テレビ)で、初めてドラマのヒロインを演じている。放送を前に共演の宮本信子(77)とともに心境などを語った。

舞台は、北海道羽幌町・天売島。家庭環境や友達付き合いになじめず、札幌から天売島の高校に転校した女子高生・翼(中山)が、同級生や島民と交流し心を開いていくストーリー。実際に離島留学で全国から生徒を受け入れている天売高定時制をモデルにしている。島に移り住んで60年を超え、生徒が働く高齢者施設に通うおばあさん・ハルを、小樽生まれの宮本が演じている。

翼と、天売と札幌の同級生役はオーディションで470人を超える応募のなかから選ばれた。上京して7年になるという中山は「最初に、北海道愛を語る審査があって、上京する前にお世話になっていた人への感謝、恩返しをしたいという思いが浮かびました」と明かした。ドラマには島民も多く出演しており、こちらへの感謝も。「泊まっていた民宿のおかみさんに、いろいろ島のことを聞きました。おかみさんのだんなさんも、ハルさんのだんなさんと同じ漁師。遠距離恋愛で電話代が1カ月に10万円もかかって、だんなさんが親に怒られたことを、おかみさんは後になって教えられたそうです」と温かい思い出を振り返った。

宮本は「(NHK北海道での)地域ドラマは7年ぶりと聞いて、うれしく思います。小樽は私の生まれた場所で、初孫でかわいがってもらいました。今は帰る所は小樽にありませんが、だからこそ、常に心のどこかに小樽はあります」と、郷土愛を語った。

ドラマは北海道内で放送されるほか、NHKプラスでも視聴できる。