9回二死からの〝起死回生〟同点弾も…。20日、阪神は延長12回2―6で巨人に屈した。

 今季の猛虎は、すでに完封負け11試合。敗戦の土俵際で一時は試合を降り出しに戻したのが、せめてもの救いだった。

 0―2で迎えた9回二死一塁。5番・大山が、巨人3番手・デラロサから左翼席に7号同点2ランを叩き込んだ。「投手陣が粘ってつないでくれていたので、何としても打ちたいと思っていました。甘く入ってきたボールを一発で仕留めることができて良かったです」。土壇場で意地を見せた主砲のひと振りに、聖地・甲子園を埋めた虎党は〝今季一〟とも言えるほどの盛り上がりを見せた。

 だが奇跡はここまで。2―2の均衡が続いた延長、12回に力尽きた。7番手・アルカンタラが遊撃・中野の失策をきっかけに無死満塁のピンチを招くと、立岡に決勝の右前適時打を許した。続く渡辺、石井も負の流れを止められず、この回に4点を失い、勝敗が決した。

 延長12回の4失点により、この日まで続いていた3失点以内の連続試合は「21」でストップ。矢野燿大監督(53)も言葉は少なく、「責めることはもちろんないよ。全部、一生懸命やっているんだから」と中継ぎ陣をフォローするのが精一杯。先発・青柳からベンチ入りの全9投手をつぎ込んだ5時間3分の激闘も及ばず、静かに肩を落とした。