選挙前のドタバタ劇がお約束となっている、れいわ新選組の山本太郎代表(47)のホームグラウンドが再び東京となった。勝算ありとにらむ山本氏だが、反動や誤算も出ている。

「やはり東京で落ち着いた」。先月、衆院議員を辞職し、参院選へのくら替えを表明していた山本氏が20日会見し、当選最優先でのリサーチを重ねて、導き出したのは2013年の参院選で初当選した東京選挙区だった。

 参院選以降、衆院選が最長3年行われない可能性があり、「権力が暴走する」と山本氏は国会での発言・影響力を増やすためにさらなる議席獲得が必要と判断。議員辞職してのくら替え出馬は、裏を返せば、山本氏以外に“顔”となる候補者を擁立できなかった苦しい事情がある。

 東京選挙区は大激戦が予想され、蓮舫氏や元おニャン子クラブの生稲晃子氏、作家の乙武洋匡氏ら著名候補がひしめく。山本氏が選挙に臨むのは都知事選を含めれば、6度目。一定の基礎票を固めつつあるも、最大の票田となる無党派層には新鮮味がない状況だ。

「十分に当選する確率は高いが、気を抜いた瞬間に終わるシビアな戦い」(山本氏)。選挙は水物でフタを開けてみたら…の事態もあり得る。

 解決策がない頭の痛い問題もある。山本氏の辞職劇にNHK党の立花孝志党首が「有権者に分かりづらいことをしている」と憤慨し、比例代表に同姓同名の山本太郎氏を擁立した。比例代表に「れいわの山本太郎」が立候補していると勘違いし、相当数の誤投票が予想される。

 山本氏はこの日、写真撮影の際、「NHKをぶっ壊す」のポーズを連想させる握りこぶしをつくって、「これ違うわ。同姓同名の方になる」と笑わせたが、NHK党の動きには困惑するばかり。

 昨年、比例東京ブロックから出た衆院選でも「山本太郎は無効票となるので書かないで」との呼びかけで腐心したばかりだが、参院選でも「比例(2枚目)は山本太郎と書かないで」のお願いをすることになるのか。