米俳優ジョニー・デップ(58)が、2017年に離婚が成立した元妻で女優のアンバー・ハード(35)を名誉毀損(きそん)で訴えている裁判で19日、元仕事仲間から長年にわたるアルコールと薬物中毒に関する証言が飛び出した。16年に解雇されるまで30年間にわたってデップのエージェントを務めてきたトレイシー・ジェイコブスさんが、法廷でデップは常に撮影現場に遅刻して現れ、セリフを覚えていないためイヤホンを使うこともあったと述べ、それは薬物やアルコールの影響によるものだったと証言。デップはハードが家庭内暴力(DV)を告発したことで名誉を傷つけられキャリアを台無しにされたと主張しているが、実際にはデップの問題行動が原因で業界の人たちはデップを起用するのを嫌がったと述べ、「仕事を取るのが難しくなり、スターとしての輝きを失った」と語った。また、元ビジネス・マネジャーだったジョエル・マルデル氏もデップの浪費について証言し、特にハードと共演した映画「ラム・ダイアリー」(11年)の撮影後から支出が増えてアルコールや薬物への依存度が増したと証言。その結果、依存症の治療のために月10万ドルを支出することもあったと証言した。

デップは、ハードが18年にワシントン・ポスト紙に掲載された寄稿文の中で自らをDV被害者であるとつづったことに対し、自身の名誉が傷つけられ、仕事を奪われたとして5000万ドル(約65億円)の損害賠償を求める訴えを起こしている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)