体操男子ウクライナ代表のイリア・コフトゥンがイタリアクラブ選手権(21~22日、ナポリ)でロシア人選手との競技を拒否して参加を辞退したことで、同国の重鎮タチアナ・タラソワ氏が怒りの猛批判を展開した。

 コフトゥンは同選手権の有力選手だったが、ロシアのアルトゥール・ダラロヤンの出場が決定したことを受けて、ウクライナ侵攻に対する抗議を理由に出場を辞退した。

 このコフトゥンの決断に、ロシアフィギュアスケート界で名指導者として知られるタラソワ氏が激怒した。

 ロシアメディア「スポーツ24」は「タラソワ氏は、ウクライナの体操選手コフトゥンがイタリアのクラブ選手権ファイナルシックスに出場することを拒否したという決定について話した。ロシアのダラロヤンがトーナメントに参加するためだ」と報道した。

 タラソワ氏は開口一番「コフトゥンなんてクソくらえだ!」と罵倒し、こう続けた。「この決断のおかげで、彼はより悪者になった。(ロシア勢は)そんなふざけたことは気にしないことだ。要は、我々のメンバーがパフォーマンスを発揮して、いい結果を出し続けることが重要だ」とロシアへの対立姿勢を鮮明にしたコフトゥンを批判。さらに「外国の選手たちは、もう我々の選手に対して人種差別をすることはないだろう」と今後同様のことが起きないよう他国の選手を強くけん制した。

 コフトゥンは3月の体操W杯でロシア代表のイワン・クリアクが3位で胸に「Z」マークをつけて表彰台に上がった際に優勝した選手。その際にはクリアクを批判しておりロシア勢とは〝因縁〟の深い相手だけに、タラソワ氏の怒りが爆発したようだ。