覇権奪回だ。大相撲夏場所千秋楽(22日、東京・両国国技館)、横綱照ノ富士(30=伊勢ヶ浜)が大関御嶽海(29=出羽海)を寄り切って、12勝3敗で3場所ぶり7度目の優勝を果たした。

 3月の春場所は、右ヒザと右かかとを痛めて途中休場。横綱として初めて15日間を全うすることができなった。今場所も初日に黒星を喫して、中日までに3敗。それでも後半は7連勝と調子を取り戻し、逆転で賜杯をたぐり寄せた。

 表彰式の優勝力士インタビューでは「やっと終わったなという感じです。いつもより長く感じた。15日間全部取り切るつもりで臨んでいましたから。結果的に良かったなと思います」と安堵の表情を浮かべた。

 復活優勝までの道のりを「場所前に焦りもあって、筋トレとか体調の面で飛ばしすぎた。途中から徐々に良くなった。横綱になった以上は成績は残さなきゃいけない。先場所の悔しい思いを今場所にぶつけていこうという気持ちでやっていました」と振り返った。

 今場所は観客の上限が約87%(9265人)に緩和され、この日の千秋楽は満員に近い雰囲気の中で土俵に上がった。照ノ富士は「(人数制限で)少ないお客さんの中でもテレビの前で見てくれていると思ってやっていましたけど、こうやってお客さんがいっぱいいて、その前で戦うのは気持ちも燃えてくる。来場所からも頑張っていきたい」と語り、大きな拍手を浴びた。