日本ハム・新庄剛志監督(50)のチーム再建への手応えが行動にあらわれてきた。

 22日の西武戦(札幌ドーム)は0―3で零封負け。今季2度目の同一カード3連勝とはいかなかったが、ここ9戦を7勝2敗と勝ち越し交流戦を迎えることになった。まだ最下位ながら3位・オリックスまでは3・5ゲーム差。サプライズを起こす可能性を十分残している。

 だからだろう。ビッグボスの行動に〝らしさ〟が戻ってきた。この日の試合前にはインスタライブでチーム練習や球場バックステージを〝実況生中継〟するという、これまで自重してきたフリーダムな行動を再開させた。

 打撃練習中の選手に声をかけ、試合前にこの日のスタメン選手や休養選手を暴露。「たまにはいいでしょ。(川村球団社長に)たぶん怒られると思うけど(笑い)」と久々のボス節を炸裂させた。

 実に3月29日の本拠地開幕戦で「空中浮遊」して以来となる指揮官の軽めのパフォーマンス。開幕戦から続く借金生活、目指していても到達できない「試合を練習のようにこなす」という高い壁の前で選手のヤル気は空回りを続け、用意していたであろうパフォーマンスを自重するしかない2か月を過ごしてきた。

 しかし、その一方でキャンプでまいた種は確実に成長し、指揮官の意図に選手が応える場面も増えてきた。

 新庄監督は「徐々に僕の考えを(選手が)インプットしてくれて。昨日(21日)でも松本君の(2回の送りバント)、俺はセーフティーのサイン出していないからね。でも、出そうかという話をしていて、次がストライクだったら出そうというところでセーフティーしてくれたりね」と自身の意図と選手の考えがシンクロしてきた場面に目を細めていた。

 それでも求めているレベルはもっと上にある。

「前も言ったように今は準備運動。(本当の成長は)これ来るんじゃない? …やっぱ来たってかみ合った時。(キャンプから)まだまだ4か月ですよ。4か月で(チームを)変えられたら早過ぎますよね。最低でも半年以上は…。でも、そのステップとしてはいい感じに上がってきている」

 その手応えと指揮官の予測不能な行動は相関関係にあるようだ。